当院でのリハビリテーションのご案内

 スポーツに対するリハビリテーション

当院ではスポーツ障害、外傷に対するリハビリテーションも行っています。

ぶつけた・ひねったなどのケガではなく、いわゆる『使いすぎ症候群』=『オーバーユース』も多く含まれます。これはある部位に過剰な負担が加わり続けることによって体の修復能力が追いつかなくなってしまった結果起こるケガです。

ケガをしてすぐ(急性期)の治療では、傷の治癒を進め,痛みを長引かせないように努めることが重要です。具体的には、運動量を抑えて患部を休ませることや(必要最小限)、物理療法によって傷んだ部位の治癒を促します。患部の損傷が強い場合は、テーピングやサポーターにより固定し、患部にかかる負担を和らげます。

 

またスポーツでは反復動作が多いため、間違った身体の使い方(悪い癖)を修正することも大切です。損傷した組織の修復を促す患部の治療を行うだけではなく、身体の使い方(癖)などをチェックし、怪我に至った原因を探ることで患部の治療及びに再発予防を図っていきます。

*競技種目、競技レベルは問わず対応致します。

エコー装置を用いたリハビリテーション

超音波画像診断装置(エコー)はレントゲンには映らない、筋肉、腱、靭帯、などの軟部組織の観察に優れています。筋肉や関節を動かしながら観察できるため、リアルタイムに患部を検査することができます。

 

骨折や靭帯損傷などのリハビリでは、組織の治癒に合わせた負荷を設定しなければなりません。適切な負荷設定を行うためにエコーを使って内部の状況を確認して治療を進めていきます。エコー画像はiPadに記録されるので、過去の画像と比較して改善具合の比較も可能です。


こどものリハビリテーション

東京都では2017年度から小・中学生を対象に運動器検診を開始いたしました。内科検診同様に運動器といわれる関節の異常をチェックすることが目的です。しかし、運動器に問題が見つかってもその先何をすればいいかわからず、お困りの方も多いかと思います。

 

当科では、子供の体力チェックや姿勢改善アプローチも行なっております。小さい頃の身体の異常は大人に成長するにつれて、痛みや障害として強く表れてきます。小さい頃に専門家の目でチェックをして、痛みと障害の芽を摘んでいけるよう介入していきます。

運動器検診にて異常が疑われた場合、整形外科での診察が必要です。

小・中学生から関節に異常がある場合、今現在特に異常を感じていなくても、成人になった際に変形や痛みの原因となることがあります。

 

そのため、成人になる前から運動療法をすることで未然に関節異常の進行を防ぐことができます。

 

当院では理学療法士による介入をしています。

 

運動器検診で異常を疑われたけど、どこに行けばよいか分からない、どんな治療をすべきか分からないといった疑問をお持ちの方はぜひ、一度当院に足を運んでください。

 

 

当院のリハビリテーション科には就学時前児童~高校生まで幅広い年代のお子様が通われています。

代表的な疾患は左図のようなものです。スポーツでの外傷から姿勢が悪いことで生じる慢性痛まで様々な疾患に対応しております。

当院に来院するお子さんは左図のように「スポーツ障害」と「姿勢障害」に大きく分けられます。

スポーツ障害では外傷によるものから、投球動作のような同じ動作の繰り返しが組織へのストレスを与えて痛みになるものまで様々です。身体の使い方の癖が痛みの原因となることも多いので、理学療法士によるチェックを必ず行っております。

姿勢の悪さから身体に不調をきたす場合も多くあります。ゲームに夢中で運動機会が減少している現代っ子は、どんどん姿勢が悪くなっている傾向にあります。当院に来院するお子さんのなかには30秒とも真っ直ぐに座っていられないお子さんもいらっしゃいます。

 

姿勢が悪くなる原因は様々です。プロの目で原因を探って一つづつ改善にむけて介入をしていきます。

リハビリの基本的な考え方は「スポーツ障害」でも「姿勢障害」でも殆ど同じです。左図のピラミッドは運動の階層性を示しています。スポーツ動作をするにはその下に位置する、「コーディネーション運動」と「基礎的運動」がしっかりできている必要があります。

 

「基礎的運動」とは「座る」、「立つ」、「歩く」、「回る」、「飛ぶ」といった動作です。一見簡単な運動ですが、このような基礎的な動きを関節に負担なく正しく行えないようでは、上位層に位置する「スポーツ動作」を怪我なく行うことはできません。

 

「コーディネーション動作」は「ボールを投げる」、「ボールを蹴る」などといった複合運動です。基礎運動が正しく行えるようになったら、コーディネーション運動を行い、スムーズにスポーツ復帰できるようにサポートします。

また、痛みがなくなったとしても再発予防のための筋力強化やストレッチ指導を行います。

正しい「基礎運動」をするために、「身体のかたさ」、「筋肉の弱さ」、「足の形」、「姿勢」の4つを評価し、介入していきます。

身体のかたさに対しては、ストレッチを指導していきます。姿勢の特徴や普段の癖から硬くなる筋肉は人それぞれです。それぞれに合わせたストレッチメニューを作成いたします。

筋力の弱さには強化運動を行ってもらいます。ただし、重りを使うような運動ではなく、自重での運動を基本とします。姿勢の悪いお子さんが多いので体幹トレーニングなどを多く行います。

足は身体の土台であるため、足の崩れは全身の崩れにつながってしまいます。子供のうちに崩れた足はその後成人した後にまで影響を及ぼします。そのため、足指のトレーニングを通して足のトラブルを改善していきます。

足指のトレーニングで改善が難しい場合はインソール作成なども行うば場合がございます。当院のインソールは完全オーダーメイドであり、それぞれの足に合ったものを理学療法士が評価して作成していきます。医師が必要と判断し処方が出れば、高校生までは実質無料で作成することができます(加入している保険や居住地域によって異なりますので、スタッフにお尋ねください)。

完全オーダーメイドのインソールの他にもゴムパッドを用いた簡易的なインソールも作成も可能な理学療法士が在籍しております。

姿勢が悪いといっても様々なタイプがあります。姿勢のタイプによって、硬くなる筋肉、弱くなる筋肉、そして負担のかかる関節が異なってきます。理学療法士が評価し、姿勢から不調の原因と改善策をご提案いたします。

 

当院は子どものリハビリに力を入れています。

少しでもお子さんの身体に気になることがあれば、ご相談にいらしてください。お待ちしております。

インソール作成

インソールとは?

 単なる土踏まずの支えやクッション性の増強というものではありません。その人に合わせて靴の中敷に凹凸を付けることで、歩き方や走り方を変化させます。インソールを装着することにより、足の働きや動きを操作することで関節や筋肉への過剰なストレスを緩和します。そのことにより、膝や腰を含めた全身の動きを調整し、スムースな動きを獲得することでスポーツパフォーマンスの向上にもつながります。扁平足や外反母趾などの足の痛みをはじめ、膝・股関節や腰などの痛み、スポーツ障害などが適応となります。大人だけではなく、お子様のインソールも作成致します。

 

当院のインソールの特徴

 歩行や姿勢などのを動きを改善する専門家である理学療法士が、インソール(靴の中敷き)の作成をするだけではなく、足の評価、靴の履き方・選び方の指導を行うことで総合的なフォローアップをさせて頂きます。患者さん一人ひとりの足の形、歩き方、姿勢などを総合的に判断し、インソールを作成していきます。足の形だけを測定して作成するインソールとは違い、理学療法士が実際の動きを見ながら調整を繰り返して作成していくのが大きな特徴です。ただ作成するだけではなく、作成後のメンテナンスや調整等を含めた総合的なフォローアップをさせて頂きます。

 

当院で扱うインソールの種類

 理学療法士がゴムパッドを用いて既存の中敷に貼り付けて作成する簡易的なインソールの作成が可能です。ゴムパッドを切り貼りして作成するため、微調整が可能です。またご希望に応じて神戸装具製作所のmysole®を作成することも可能です。当院にはmysole®協会公認のmysole®マイスターの理学療法士が在籍しておりますので、診察時や担当理学療法士にお気軽にご相談ください。

 

mysole®のメリット

 理学療法士が患者様の一連の運動評価によって症状と動作の関連性を考慮し、問題点を見つけることは変わりません。神戸装具製作所自社開発の『mysole®パッド』で、疼痛の原因となるアライメントをコントロールし、優しく『ソフト矯正』します。

 mysole®は、機能性はもちろんのこと、見た目にも力を注いでいます。表面生地をお好みの色からお選びいただけるため、様々なシーンでも対応できるオシャレなインソールです。また、製法が体系化されており、患者様の足のデータおよび動作所見を永続的に保存しているため、いつでも複製が可能です。詳しくは、下記のmysoleのホームページをご覧下さい。


長びく痛み(慢性痛)のリハビリテーション

長びく痛み(慢性痛)は、その症状自体もさることながら他者には理解されにくいため、患者さんにとっては精神的にも非常に辛いです。

 

痛みは、身体の異常を知らせる警告反応として重要な役割を果たす一方、痛みが長びくと、しばしば脳や神経が過敏になっている(感作といいます)ために痛みを感じやすくなってしまいます。その様な時にリハビリで運動をしたら余計に痛くなるのではないかと思いますが、実は最近の研究によると適切な運動を実施することで鎮痛薬と同じような物質が体内に分泌され過敏になった脳や神経を鎮静化させるといわれています。運動は身体機能を改善するだけでなく心理面にも良い影響があり、すっきりした気分になり心身が軽くなります。痛みのために長期間身体を動かさないでいると、筋肉が痩せてきたり、関節が固くなってしまい日常生活に支障をきたします。

 

慢性痛(特に筋骨格系)に対するリハビリテーションの原則として「適切な運動をすることは良いこと」「運動をしないことは良くないこと」 という考え方が痛みの軽減や生活の質改善に効果があるとされています。もちろん患者様の痛みの状態や改善具合を伺いながら実施いたします。無理をさせることはありませんのでご安心ください。